このページの要点
- 特定賃貸借契約の規制は戸数を問わずかかる。親族や同族の会社への一括貸し、宿泊用途の住宅は対象から外れる。
- 広告は、家賃の額と変更、維持保全の実施方法、費用の分担、解除について、著しく事実に相違する表示や有利と誤認させる表示が禁止される。
- 勧誘では、重要事項の不告知・不実告知、威迫、迷惑な時間の勧誘、執ような勧誘が禁止。契約前に14項目を書面で説明し、契約後にも書面を交付する。
- 家賃の見直しは借地借家法32条と契約書の文言を併せて読む。原契約が終わっても、転借人には通知と6月の猶予がある。
結論:サブリースの「家賃保証」は、約束の範囲と条件を書面で確かめる。業法は広告・勧誘・書面を規制している
サブリースとは、貸主(オーナー)が建物をサブリース会社に貸し、サブリース会社がその建物を入居者に貸し直す(転貸する)仕組みです。貸主から見ると、入居者の入退去にかかわらず、サブリース会社から一定の家賃を受け取れる点が特徴で、この点が「家賃保証」「一括借り上げ」といった言葉で説明されます。
しかし、家賃保証という言葉は、法律用語ではありません。サブリース会社が貸主に払う家賃が、いつまで、いくらで、どんな条件のもとで払われるのか。サブリース会社から契約を解約できるのか。家賃を下げたいと言われたときに、貸主は拒めるのか。これらは契約書の条文と、借地借家法などの法律の規定の組み合わせで決まります。言葉の響きだけで判断すると、想定と実際がずれます。
この点を踏まえ、賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(以下「管理業法」)は、サブリースのうち「特定賃貸借契約」について、広告、勧誘、契約前後の書面の交付を規制しています。このページで押さえる点は次の5つです。
- 特定賃貸借契約の意味と、規制を受ける「特定転貸事業者」「勧誘者」の範囲(管理業法2条4項・5項、28条)。
- 広告で、家賃、維持保全の実施方法、費用の分担、契約の解除について、事実と違う表示や、実際より著しく有利と誤認させる表示をしてはならない(28条、施行規則42条)。
- 勧誘で、重要な事項について故意に事実を告げず、不実を告げてはならない。威迫や執ような勧誘も禁止されている(29条、施行規則43条)。
- 契約を結ぶ前に、14項目の事項を記載した書面を交付して説明しなければならず、結んだ後にも書面を交付する(30条・31条、施行規則45条・47条)。
- 家賃の見直しや契約の終了は、契約書の文言と、借地借家法などの規定を併せて読む。「保証」の表示が、それらの条件を隠していないかを確かめる。
運営の型の違いは賃貸住宅の管理と契約書の全体像、管理だけを任せる契約は賃貸管理委託契約書の書き方で扱います。ここでは、事業用の店舗を転貸する契約ではなく、住宅のサブリースに絞って解説します。
誰が規制を受けるのか:特定賃貸借契約、特定転貸事業者、勧誘者
管理業法2条4項は、特定賃貸借契約を、賃貸住宅の賃貸借契約であって、賃借人が当該賃貸住宅を第三者に転貸する事業を営むことを目的として締結されるもの、と定義しています。ただし、賃借人が、人的関係、資本関係その他の関係において賃貸人と密接な関係を有する者として国土交通省令で定める者であるものは、除かれます。同条5項は、特定賃貸借契約に基づき賃借した賃貸住宅を第三者に転貸する事業を営む者を、特定転貸事業者としています。
省令(施行規則2条)が定める「密接な関係を有する者」は、賃貸人が個人であれば、その親族と、賃貸人またはその親族が役員である法人などです。賃貸人が会社であれば、その親会社、子会社、関連会社などです。身内や同じグループの会社に建物を一括して貸す場合は、この規制の対象外になり得ます。他方、「事業を営む」ことが要件ですから、転貸を事業として行う会社や個人事業者が借り上げる場合が典型です。
また、規制を受けるのは特定転貸事業者だけではありません。28条は、「勧誘者」(特定転貸事業者が特定賃貸借契約の締結についての勧誘を行わせる者)も、特定転貸事業者とあわせて「特定転貸事業者等」とし、広告と勧誘の規制の対象にしています。建築会社、不動産会社、金融機関の担当者などが、特定転貸事業者から依頼を受けて貸主に勧誘する場合が、勧誘者に当たり得ます。貸主から見ると、「勧誘してきた人」と「契約の相手方になる人」が別の会社であることがあり、書面で説明する責任を負うのは特定転貸事業者であることを意識しておきます。
前のページで触れたとおり、サブリースの規制には、管理受託のような戸数の要件(200戸)がありません。また、宿泊用途に供される住宅(旅館業・特区民泊・住宅宿泊事業の用に供するもの)は、管理業法の「賃貸住宅」から除かれます(法2条1項、施行規則1条)。宿泊用途の転貸借を前提とする契約は、この規制の枠の外で、別の制度の下にあります。
広告の規制:「家賃保証」の言い方に潜む誤認
管理業法28条は、特定転貸事業者または勧誘者が、特定賃貸借契約の条件について広告をするときは、特定賃貸借契約に基づき特定転貸事業者が支払うべき家賃、賃貸住宅の維持保全の実施方法、特定賃貸借契約の解除に関する事項その他の国土交通省令で定める事項について、著しく事実に相違する表示をし、または実際のものよりも著しく優良であり、もしくは有利であると人を誤認させるような表示をしてはならない、と定めています。
施行規則42条は、その事項として、次の四つを挙げています。
- 特定賃貸借契約の相手方に支払う家賃の額、支払期日及び支払方法等の賃貸の条件並びにその変更に関する事項
- 賃貸住宅の維持保全の実施方法
- 賃貸住宅の維持保全に要する費用の分担に関する事項
- 特定賃貸借契約の解除に関する事項
表示の対象には、パンフレット、ウェブサイト、チラシ、営業の資料などの広告が含まれます。「家賃保証」「空室でも安心」「30年一括借り上げ」といった言葉が、家賃の変更や契約の解除の条件を隠したまま使われると、実際よりも著しく有利と誤認させる表示になり得ます。条文は「著しく」という要件を置いているため、軽い誇張がすべて違反になるわけではありません。しかし、貸主の判断を左右する重要な点(家賃が見直されること、サブリース会社から解約できること)の表示がないときは、問題になります。
書き方の例(一般的な例) 「家賃保証」の表示の書き方
家賃の見直し
理由期間と見直しの条件が示されない「保証」は、家賃が一定に保たれると誤認させるおそれがある。
契約の解除
理由解約の条件を伏せたまま「安心」とのみ示すと、解除に関する事項の表示として不十分になり得る。
維持保全の費用
理由費用の分担を示さないと、貸主が全額を負担しないかのような印象を与える。
広告の規制は、特定転貸事業者本人だけでなく、勧誘者にもかかります。勧誘者が、特定転貸事業者の了解を得ずに「保証します」と説明した場合でも、勧誘者自身が28条違反になり得ます。違反した場合は、国土交通大臣が是正の指示を行い(33条)、指示に従わないときなどは、1年以内の期間を限って、勧誘や業務の停止を命じることができます(34条)。罰則は、28条に違反して著しく事実に相違する表示などをしたときは30万円以下の罰金です(44条10号)。
勧誘の規制:事実を告げない、不実を告げる、執ように迫る
管理業法29条1号は、特定転貸事業者等が、特定賃貸借契約の締結の勧誘をするに際し、またはその解除を妨げるため、契約の相手方または相手方となろうとする者に対し、契約に関する事項であって判断に影響を及ぼすこととなる重要なものにつき、故意に事実を告げず、または不実のことを告げる行為をしてはならない、と定めています。解除を妨げる行為が含まれている点が重要です。契約後に貸主が解約を求めたときに、事実と違う説明で思いとどまらせることも、禁止の対象です。
同条2号は、これらに加えて、国土交通省令で定める行為を禁じています。施行規則43条は、次の四つを挙げています。
- 特定賃貸借契約を締結もしくは更新させ、または申込みの撤回もしくは解除を妨げるため、相手方等を威迫する行為
- 契約の締結または更新について、相手方等に迷惑を覚えさせるような時間に電話または訪問により勧誘する行為
- 契約の締結または更新について、深夜または長時間の勧誘その他の私生活または業務の平穏を害するような方法により相手方等を困惑させる行為
- 契約の締結または更新をしない旨の意思(勧誘を受けることを希望しない旨の意思を含む)を表示した相手方等に対して、執ように勧誘する行為
不実告知の違反は、罰則が重い規定です。29条1号の規定に違反して、故意に事実を告げず、または不実のことを告げたときは、6月以下の拘禁刑もしくは50万円以下の罰金、またはその併科です(42条2号)。この類型は、法人の代表者や従業員が業務に関して行った場合に、行為者を罰するほか、法人にも罰金刑が科されます(45条)。
貸主の側で実務上気をつけたいのは、勧誘の場面の説明が、契約書や説明書面に書かれているかどうかです。口頭で「大丈夫です」と言われても、書面にそれと矛盾する記載があれば、書面の方が契約の内容になります。後の争いに備えて、重要な説明は書面で確認し、日付と担当者を控えておきます。誰かに迷惑な時間や長時間の勧誘を受けたとき、またはその勧誘を断ったのに繰り返し勧誘が来たときは、43条の禁止行為に当たる可能性があるため、その記録(日時、回数、内容)を残しておきます。国土交通大臣への申出の制度もあります(35条)。何人も、特定賃貸借契約の適正化を図るため必要があると認めるときは、国土交通大臣に対し、その旨を申し出て、適当な措置をとるべきことを求めることができます。
契約前の説明書面と、契約後の書面:14項目と7項目
管理業法30条1項は、特定転貸事業者が、特定賃貸借契約を締結しようとするときは、契約の相手方となろうとする者に対し、契約を締結するまでに、契約の内容とその履行に関する事項で国土交通省令で定めるものについて、書面を交付して説明しなければならない、と定めています。説明の相手方から、専門的知識と経験を有すると認められる者(特定転貸事業者、賃貸住宅管理業者、宅地建物取引業者、特定目的会社、組合、賃貸住宅に係る信託の受託者、独立行政法人都市再生機構、地方住宅供給公社。施行規則44条)は除かれます。個人のオーナーは、この除外に当たりません。
説明すべき事項は、施行規則45条が14項目を定めています。サブリースの契約書の項目と照らし合わせると、書き漏れや、あいまいな書き方が見つかります。
特定賃貸借契約の締結前の説明事項(施行規則45条)と確認のポイント
| 号 | 説明事項 | 契約書で確認するポイント |
|---|---|---|
| 1号 | 特定転貸事業者の商号・名称・氏名、住所 | 契約の相手方の特定。勧誘した会社と同一かを確認する |
| 2号 | 契約の対象となる賃貸住宅 | 住戸の範囲。共用部や附属設備が含まれるか |
| 3号 | 貸主に支払う家賃の額、支払期日、支払方法等の賃貸の条件と、その変更に関する事項 | 家賃の見直しの時期と方法。免責期間(家賃が払われない期間)の有無 |
| 4号 | 維持保全の実施方法 | 誰が、どの頻度で、何を点検・修繕するか |
| 5号 | 維持保全に要する費用の分担 | 貸主負担の範囲と、サブリース会社の承諾が要る場合 |
| 6号 | 貸主への維持保全の実施状況の報告 | 報告の頻度と方法 |
| 7号 | 損害賠償額の予定・違約金 | 貸主が中途解約するときの違約金の有無と金額の基準 |
| 8号 | 責任と免責 | 免責の範囲に、サブリース会社の過失が含まれないか |
| 9号 | 契約期間 | 期間と、更新の有無 |
| 10号 | 転借人の資格その他の転貸の条件 | 誰に貸すか(学生、外国人、法人契約など)。貸主の承諾の要否 |
| 11号 | 転借人に対する4号の事項の周知 | 入居者が連絡する窓口の周知方法 |
| 12号 | 契約の更新・解除に関する事項 | 解除の事由と予告期間。サブリース会社の側からの解約の条件 |
| 13号 | 契約が終了した場合における特定転貸事業者の権利義務の承継 | 終了後、入居者との転貸借契約がどうなるか |
| 14号 | 借地借家法その他特定賃貸借契約に係る法令に関する事項の概要 | 家賃の見直しなどに関する法令の説明があるか |
号の番号と内容は、施行規則45条を確認した内容です。
契約を結んだ後の書面(31条書面)には、管理業法31条1項が、対象となる賃貸住宅、家賃その他賃貸の条件に関する事項、維持保全の実施方法、契約期間、転借人の資格その他の転貸の条件、契約の更新または解除に関する定めがあるときはその内容、その他国土交通省令で定める事項、を挙げています。施行規則47条は、特定転貸事業者の商号・住所、維持保全の費用の分担、維持保全の実施状況の報告、損害賠償額の予定・違約金の定めがあるときはその内容、責任・免責の定めがあるときはその内容、転借人への維持保全の周知、契約が終了した場合における特定転貸事業者の権利義務の承継に関する事項、を追加しています。
書面の交付には、貸主の承諾を得て電磁的方法で行う道もあります(30条2項、31条2項)。違反した場合の罰則は、30条1項または31条1項に違反して書面を交付せず、必要事項を記載しない書面や虚偽の記載のある書面を交付したときは、50万円以下の罰金です(43条)。さらに、特定転貸事業者は、業務および財産の状況を記載した書類(業務状況調書、貸借対照表、損益計算書など)を営業所に備え置き、契約の相手方または相手方となろうとする者の求めに応じて閲覧させる義務があります(32条、施行規則48条)。貸主は、サブリース会社の財務状況を、契約前に自分で見ることができます。
確認サブリース契約の書面を見るときの確認の問い
家賃は、いつ、どの条件で見直されるのか。
説明事項の3号です。「保証」と書かれていても、見直しの時期と手続が書面にあるかを確かめます。
サブリース会社から解約できるか。
12号の更新・解除に関する事項に当たります。貸主からの解約とサブリース会社からの解約が対称かどうかを見ます。
免責期間はあるか。
入居開始前の一定期間や、契約開始後の一定期間に家賃が払われない定めは、3号の「賃貸の条件」に関わります。
修繕の費用は、どちらの負担か。
4号・5号です。サブリース会社が手配する修繕でも、費用は貸主負担のことがあります。
契約が終わったとき、入居者はどうなるのか。
13号です。転借人との契約がどうなり、貸主がどの立場を引き継ぐのかを確認します。
家賃の見直しと契約の終了:条文を並べて読む
サブリースの契約書には、家賃の改定に関する条項が置かれるのが通常です。借地借家法32条1項は、建物の借賃が、租税その他の負担の増減により、建物の価格の上昇もしくは低下その他の経済事情の変動により、または近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することができる、と定めています。ただし書で、一定の期間建物の借賃を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従う、とされています。
この規定は、建物の賃貸借一般に関する規定です。サブリース会社が貸主から建物を借りる関係にも、その賃貸借契約が建物の賃貸借である以上、条文の文言上は適用の余地があります。他方、契約書の側に「借賃の減額を請求しない」「保証家賃は変更しない」と書かれている場合に、その特約がどこまで認められるかは、条文だけでは決まりません。この論点は裁判所の判断が蓄積されている分野であり、個別の事案の事実と契約書の文言によって結論が変わるため、判決の原文と所管官庁の資料で確認が必要です。
契約期間が定められていて、更新のない定期建物賃貸借(借地借家法38条)としてサブリース契約が結ばれることもあります。定期建物賃貸借で借賃の改定に係る特約があるときは、32条の規定は適用しないとされています(38条9項)。定期建物賃貸借にするには、公正証書等の書面による契約が必要で、あらかじめ賃貸人が賃借人に、更新がなく期間満了で終了することを記載した書面を交付して説明しなければならず、説明をしなかったときは、更新がない旨の定めは無効です(38条1項・3項・5項)。定期借家の詳細は住宅の更新・更新料・定期借家の再契約で扱います。
普通借家のサブリースで、貸主が契約を終わらせたい場合は、借地借家法26条から28条が問題になります。貸主からの更新拒絶または解約の申入れには、貸主・借主が建物の使用を必要とする事情のほか、従前の経過、建物の利用状況・現況、財産上の給付の申出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければなりません(28条)。サブリース契約では、借り上げた会社が転貸を事業としているため、何を「使用の必要」と見るかが論点になります。また、この更新等に関する規定に反する特約で賃借人に不利なものは無効です(30条)。他方、貸主側の解約の自由を広げる特約、つまり借主に不利な特約は、30条の対象になり得ます。
場面別に見る、家賃と終了をめぐって起きがちなこと
家賃の見直しを求められたとき
起きがちなこと
- 契約書に「家賃保証」と書いてあるのに、見直しの協議を求められた
- 説明のときに、見直しがあることを聞いていなかった
- 見直しに応じなかったところ、解約を示唆された
書面での手当て
- 家賃の見直しの時期・方法・基準を、契約書の条項と説明書面の両方で確かめる
- 説明の場面での説明の内容を、書面または記録に残す
- 解約の条件が貸主・サブリース会社で対称かを確かめる
貸主が契約を終わらせたいとき
起きがちなこと
- 期間が満了するが、更新を拒めるかが分からない
- 中途解約の違約金の定めがあり、動けない
- 解約後の入居者の扱いが決まっていない
書面での手当て
- 契約が普通借家か定期借家かを、契約書の標題と更新の条項で確かめる
- 中途解約の違約金の基準と、損害賠償額の予定の定めを確認する
- 契約終了時の入居者と敷金の扱いを、終了時の条項で確かめる
契約が終わるとき:入居者と貸主の地位
サブリースが終了すると、入居者との転貸借契約はどうなるのか。入居者から見ると、貸主が突然「サブリース会社から貸主に変わる」ことになり、家賃の払込先や敷金の返還先が分からなくなります。説明事項の13号(権利義務の承継)が示すとおり、この点は書面で事前に決めておくべき事項です。
この場面には、転借人を守る規定が重なっています。借地借家法34条は、原契約が期間の満了や解約の申入れで終わるときに、賃貸人が転借人へ通知をしなければ終了を対抗できないとし、通知から6月で転貸借が終わるとします(37条により、これに反する転借人に不利な特約は無効です)。民法613条3項は、賃貸人とサブリース会社が合意で原契約を解除しても、原則として転借人に対抗できないとします。つまり、サブリースの原契約が終わっても、入居者がただちに退去を迫られるわけではありません。条文ごとの読み方は、貸主が変わる場面を扱う別のページで整理しています。
契約書では、この法律関係を踏まえて、契約終了時の承継条項を置くのが通例です。貸主が、サブリース会社の転貸人としての地位を引き継ぐこと、敷金の承継、入居者の個人情報の提供などを書きます。具体的な書き方と注意点は、貸主が変わるとき(売却・相続・マスターリース終了)の賃貸人の地位のページで整理します。
起きがちなこと:サブリースの書面と運用で生じるずれ
最後に、サブリースの書面で起きがちなことをまとめます。
起きがちなこと(サブリース契約)
- 広告の「家賃保証」を見て契約したが、契約書には家賃の見直しと、サブリース会社からの解約の条項があった。
- 勧誘した会社と、契約書の相手方が別の会社で、説明の責任の所在が分からなくなった。
- 説明書面を契約と同じ日に初めて渡され、読み込む時間がなかった(締結前の交付と説明が必要なため、時期を確かめる)。
- 修繕費は「お任せ」と聞いていたが、契約書の別表では貸主負担の範囲が広かった。
- 契約期間の途中で家賃の見直しを求められ、応じない場合の扱いが書面に書かれていなかった。
- 契約が終わるときの入居者への通知、敷金の引継ぎ、鍵や書類の引渡しが決まっておらず、貸主が入居者への対応に追われた。
- 親族や同族の会社への一括貸しは規制の対象外になり得るが、そのことを知らずに、書面を整えないまま契約した。
よくあるご質問
サブリースの「家賃保証」は、法律上の保証ですか。
「家賃保証」は法律用語ではなく、サブリース会社が貸主に家賃を払う約束を指す営業上の言葉です。その約束には、契約期間、家賃の見直し、解約の条件が付くのが通常です。管理業法28条は、家賃の額と変更に関する事項、契約の解除に関する事項などについて、著しく事実に相違する表示や、実際より著しく有利だと誤認させる表示を禁止しています。契約書の条文で、保証の範囲と条件を確かめます。
サブリース契約の前に、どのような説明を受けられますか。
管理業法30条により、特定転貸事業者は、契約を結ぶまでに、書面を交付して説明しなければなりません。説明事項は施行規則45条の14項目で、家賃の額と変更に関する事項、維持保全の実施方法と費用の分担、損害賠償額の予定・違約金、契約期間、更新・解除、契約終了時の権利義務の承継、借地借家法などの概要を含みます。
身内の会社に建物を一括して貸す場合も、この規制を受けますか。
管理業法2条4項は、賃借人が賃貸人と密接な関係を有する者として国土交通省令で定める者であるときは、特定賃貸借契約から除いています。施行規則2条は、賃貸人が個人の場合のその親族や、賃貸人またはその親族が役員である法人などを挙げています。該当するかどうかは、省令の文言と当事者の関係を一つずつ当てはめて判断します。
サブリース会社が家賃の減額を求めてきたとき、必ず応じる必要がありますか。
借地借家法32条1項は、経済事情の変動などにより借賃が不相当となったときは、当事者が将来に向かって借賃の増減を請求できると定めています。サブリース契約でこれがどう働くかは、契約書の文言(保証家賃の定め、改定の特約など)と事情によって異なり、裁判所の判断が積み重なっている分野です。判決の原文と所管官庁の資料で確認が必要です。
サブリースが終わったら、入居者はすぐに退去しなければなりませんか。
建物の賃貸借が期間の満了または解約の申入れによって終了する場合、賃貸人は転借人に通知をしなければその終了を転借人に対抗できず、通知後6月で転貸借が終了します(借地借家法34条)。また、賃貸人とサブリース会社が合意で契約を解除しても、原則として転借人に対抗できません(民法613条3項)。入居者がただちに退去を求められるとは限りません。
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本ページは一般的な情報提供です。個別の賃貸借への当てはめは、契約書の文言、物件の状況、当事者の事情によって異なることがあります。書き方の例として紹介している内容は、一般に見られる書き方を整理した例で、特定の事業者や案件を示すものではありません。条文は e-Gov 法令検索(法令API)で確認した現行のものに基づき、まだ施行されていない改正は現行の内容として扱っていません。参考: e-Gov法令検索 / 国土交通省 / 消費者庁 / 法務省