このページの要点
- 頭書は物件・期間・賃料・当事者・保証の事実の欄。個人の連帯保証は極度額を定めなければ効力を生じない(民法465条の2第2項)。
- 貸主の修繕義務(民法606条1項)は合意で調整できるが、「一切借主の負担」のような包括的な書き方は範囲が不明確で争いになりやすい。
- 借地借家法30条は同法の更新等の節に反する借主に不利な特約を無効とし、修繕や費用負担の特約は消費者契約法10条との関係を条項ごとに見る。
- 特約は、必要性・範囲・説明の記録をそろえ、本文との優先関係も書いておく。
結論:頭書で「事実」を、本文で「ルール」を、別表と特約で「例外」を読み分ける
住宅の賃貸借契約書は、ページ数が多くなくても、借りる人の暮らしと貸す人の財産に長く影響します。読むときに迷いにくくなる方法は、書面を三つの層に分けて眺めることです。第一の層は頭書(とうがき)で、物件、期間、賃料、貸主・管理業者、借主・同居人、連帯保証人や保証会社といった「事実」が書かれます。第二の層は本文で、使用目的、賃料の支払い、修繕、禁止事項、解除、明渡しなどの「ルール」が並びます。第三の層は別表と特約で、禁止事項の一覧や、個別の事情に合わせて追加された「例外」が書かれます。
国土交通省は、賃貸住宅標準契約書という、契約書のひな形を公表しています。法令で使用が義務づけられているものではありませんが、紛争の防止と、借主の居住の安定、貸主の経営の合理化を目的として作られた参考用のモデルです。民法の改正や家賃債務保証業者の利用の増加を踏まえて改定され、「家賃債務保証業者型」と「連帯保証人型」の二つの型があり、連帯保証人型には極度額の記載欄があります。契約書を読むときは、標準の考え方と比べて、どこが標準のとおりで、どこが特約で付け足されているかを見分けるのが出発点です。
このページでは、頭書の読み方、本文のうち揉めやすい条項(修繕、禁止事項、無断転貸、立入り、賃料の改定)、借主に不利な特約の限界、特約を追加するときの書き方の例を整理します。契約前の書面の流れは入居申込から契約までの書面、更新は住宅の更新・更新料・定期借家、修繕の細かい負担区分は修繕・設備の故障・DIY型賃貸の書面で扱います。
契約書を受け取ったら最初に見る場所
- 頭書に、貸主、管理業者、借主、同居人、物件、期間、賃料、共益費、敷金、保証の方法が、実際の取り決めどおりに書かれているか。
- 本文の中の「借主は〜しなければならない」「貸主は〜できる」の文を拾い、片方に偏っていないか。
- 別表(禁止事項、修繕の負担区分など)が本文のどの条から参照されているか。
- 特約の欄に、本文と食い違う定めがないか。食い違う場合、どちらが優先すると書かれているか。
頭書の読み方:物件・期間・賃料・当事者・保証
頭書は、契約の「事実」の欄です。ここが空欄や誤記のままだと、本文のルールがどの事実に当てはまるのかが揺らぎます。確かめる項目と、見落としやすい点を整理します。
頭書の項目と確かめること
| 頭書の項目 | 確かめること | 見落としやすい点 |
|---|---|---|
| 物件の表示 | 所在地、部屋番号、構造、面積、設備、駐車場・駐輪場・倉庫の有無。 | 付属の設備や専用部分の範囲が、図面や設備一覧と一致しているか。 |
| 契約期間 | 始期と終期、普通借家か定期借家か。 | 定期借家の場合は、更新がないことの事前の書面説明が別に必要(借地借家法38条3項)。更新のページで扱う。 |
| 賃料・共益費 | 金額、支払日、支払方法、振込先、遅延したときの扱い。 | 共益費に何が含まれるのか。賃料に含まれる水道代や管理費があるか。 |
| 敷金・礼金など | 名目、金額、返還の条件。 | 名目が違っても担保の趣旨のものは敷金と整理される。敷金のページ参照。 |
| 貸主・管理業者 | 貸主の氏名・住所、管理を委託している業者の名称・連絡先。 | 修繕の連絡先と家賃の支払先がどこか。貸主と管理業者のどちらに通知するか。 |
| 借主・同居人 | 契約者と同居人の氏名、人数。 | 同居人の増減の通知が必要か。無断で人が入ったときの扱い。 |
| 連帯保証人・保証会社 | 保証の方法、極度額、保証会社の名称。 | 連帯保証人型では極度額の記載が必要(民法465条の2第2項)。詳しくは家賃保証・連帯保証人のページ。 |
個人が保証人になる「根保証」と呼ばれる契約(一定の範囲に属する不特定の債務を主たる債務とする保証)では、保証人は極度額を限度として責任を負い、極度額を定めなければ保証契約は効力を生じません(民法465条の2第1項・2項)。賃貸借の連帯保証は、将来にわたって発生する賃料や原状回復費用などを主たる債務とするため、この根保証に当たります。頭書の極度額の欄が空欄のままになっていないか、数値ではなく「相当額」といった書き方になっていないかを見ます。
本文で揉めやすい条項:修繕、禁止事項、無断転貸、立入り
本文は、条文の見出しを拾うだけでは足りません。特に次の四つは、契約書の書き方によって、争いが起きるか起きないかが分かれます。
修繕:貸主の義務と、借主が負担する小さな修繕
民法は、賃貸人は賃貸物の使用および収益に必要な修繕をする義務を負うとし、賃借人の責めに帰すべき事由によって修繕が必要になったときは、この限りでないとしています(民法606条1項)。賃貸人が賃貸物の保存に必要な行為をしようとするときは、賃借人はこれを拒めません(同条2項)。この規定は、当事者の合意で内容を変えられる性質のものと理解されており、契約書で、軽微な修繕を借主の負担とする特約を置くことがあります。
ただし、借主の負担にする範囲は、書き方によって大きく変わります。「畳表の取替え、障子・ふすまの張替え、電球・蛍光灯の取替え」のように、具体的な項目と小規模な作業に限った列挙と、「一切の修繕」「設備の故障は原因を問わず借主の負担」という包括的な書き方では、意味が違います。後者は、通常の使用で生じる設備の劣化まで借主に負わせることになり、後で見る消費者契約法10条との関係が問題になり得ます。
書き方の例(一般的な例) 修繕の書き方
借主の負担の範囲
理由包括的な書き方は、通常の使用による劣化まで借主の負担になり得る。列挙し、残りは貸主の負担と書く方が明確。
借主が直したとき
理由民法607条の2は、借主が修繕できる場合を定める。通知の流れを書面にしておくと費用の争いが減る。
連絡先
理由誰に、どの手段で、いつ連絡するのかを書く。
禁止事項:別表に一覧し、本文で解除と結びつける
契約書の別表には、禁止または制限される行為が並びます。ペットの飼育、楽器の使用、危険物の持込み、規定の人数を超える入居、用途の変更、共用部分への物の放置などです。確かめたいのは、①本文のどの条が別表を参照しているか、②違反したときの効果が「是正の催告」なのか「直ちに解除」なのか、③「貸主の承諾を得た場合を除く」という例外が書かれているかです。
民法は、賃借人は賃貸人の承諾を得なければ、賃借権を譲り渡し、または賃借物を転貸できないとし、これに違反して第三者に使用または収益をさせたときは、賃貸人は契約を解除できるとしています(民法612条)。契約書では、この無断転貸に、民泊や又貸し、居住者の入れ替えのような類型を具体的に挙げて禁止事項とすることがあります。解除が認められるかどうかは、違反の内容や程度、経緯などの個別の事情によって判断されるため、契約書側では「是正を求める手順」と「解除に至る条件」を分けて書いておくと、運用が安定します。
立入り:緊急時と通常時を分ける
賃貸人が保存に必要な行為をするとき、借主は拒めません(民法606条2項)。ただし、これは「保存に必要な行為」のための立入りで、貸主や管理業者が自由に入室できるという意味ではありません。契約書の立入りの条項は、通常の点検、設備の工事、緊急時(漏水、火災、ガス漏れ)の三つを分けて、事前の通知の方法と時期、立会いの有無、緊急時の事後報告の定めを書くことが、借主の生活の平穏と貸主の管理の両方を守ります。
書き方の例立入りの条項の書き方の例(一般的な例)
- 貸主または管理業者は、建物の保存、点検、修繕その他管理のために必要があるときは、あらかじめ借主の承諾を得て、本物件に立ち入ることができる。
- 前項の承諾を求めるときは、貸主または管理業者は、立入りの目的、日時、立入りを行う者を、○日前までに借主へ通知する。
- 火災、漏水、ガス漏れその他の緊急の事態が生じたときは、貸主または管理業者は、前二項の手続によらず本物件に立ち入ることができる。この場合、立入り後、速やかに借主へ報告する。
日数や連絡手段は個別に決めます。立入りの記録を残す運用とセットにすると、後の争いが減ります。
借主に不利な特約は、どこまで有効か
契約書には、貸主側が作成した特約が重なっていることがあります。特約の有効性を考えるときに、住宅の賃貸借で使われる主な条文は次の三つです。
特約の有効性を考える条文
| 条文 | 内容 | 使いどころ |
|---|---|---|
| 借地借家法30条 | 建物の賃貸借の更新等に関する節の規定に反する特約で、借主に不利なものは無効。 | 更新拒絶の要件、期間の定めのない賃貸借の解約など、同法26条から29条の規定に反する特約。 |
| 消費者契約法10条 | 消費者の権利を制限し、または義務を加重する条項で、信義則に反して消費者の利益を一方的に害するものは無効。 | 借主が個人(事業のために借りるのではない)で、貸主が事業者の場合の、修繕・費用負担・違約金などの特約。 |
| 民法の任意規定 | 当事者の合意で内容を変えられる規定(修繕の義務など)。 | 合意で変えられるが、範囲が不明確な書き方や、明確に説明されていない特約は、後に争いになりやすい。 |
借地借家法30条が無効とするのは、「この節の規定」に反する特約です。同法の建物賃貸借の更新等の規定(26条から29条)が典型で、たとえば、更新拒絶に正当の事由を要するという28条の定めを排除するような特約は借主に不利なので無効になります。修繕義務や原状回復の特約は民法の規定に関わるため、この30条だけでは判断できず、消費者契約法10条との関係が問題になります。
消費者契約法10条は、法令中の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比して消費者の権利を制限し、または義務を加重する条項で、民法1条2項に規定する基本原則(信義誠実の原則)に反して消費者の利益を一方的に害するものを無効とします。借主が個人で、貸主または管理会社が事業者である契約が典型的に当てはまります。無効となるかどうかは条項ごとに判断されるため、「特約があるから有効」「特約だから無効」と一括りにせず、特約の範囲、金額、借主への説明、代わりの利益の有無などを個別に見ます。
賃料の改定についても同じです。借地借家法32条は、建物の借賃が、租税その他の負担の増減、土地・建物の価格の上昇・低下その他の経済事情の変動、近傍同種の建物の借賃に比べて不相当になったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は将来に向かって借賃の増減を請求できるとしています(ただし、一定の期間借賃を増額しない旨の特約があるときは、その定めに従う)。契約書に「賃料の改定は貸主のみが請求できる」と書かれている場合は、この条文が当事者の双方に請求権を認めていることとの関係を確かめる必要があります。
書き方の例(一般的な例) 特約の書き方
賃料の改定
理由借地借家法32条は双方に請求権を認める。貸主のみとする書き方は同条との関係を確かめる必要がある。
費用負担の特約
理由負担する範囲、金額、説明を書面で明確にしないと、消費者契約法10条との関係が問題になりやすい。詳しくは原状回復のページ。
本文との優先
理由優先関係が不明な契約書は解釈が分かれる。
解除・通知・同居人・明渡し:後半の条項を読み落とさない
契約書は、前半の賃料や期間に目が行きがちですが、揉めごとの多くは後半の条項で決まります。後半で読む項目を、契約書に書かれている順にたどると、次のようになります。
契約書の後半で確かめる条項
| 条項 | 確かめること | 書き方の注意 |
|---|---|---|
| 通知義務 | 氏名・住所・勤務先・連絡先・同居人の変更を、いつまでに、誰に通知するか。 | 通知先(貸主か管理業者か)と、通知の方法(書面か電話か)を書く。通知がなかったときの扱い(到達したものとみなす場合)も決める。 |
| 同居人・居住者 | 契約書に書かれた同居人以外の居住を認めるか。一時的な宿泊や親族の来訪の扱い。 | 「承諾を得ない同居」を禁止事項にする場合、承諾の手続(書面での申請)と、承諾しない場合の理由の扱いを書く。 |
| 契約の解除 | 賃料の遅れ、禁止事項の違反、反社会的勢力への該当などの解除事由と、催告の要否。 | 民法541条は催告による解除を原則とする。催告をしないで解除できる事由は、重大な違反に限って書く。 |
| 中途解約 | 借主からの解約予告の期間と方法、解約予告に代えて賃料を払う場合の扱い。 | 予告期間と起算日を書く。詳しくは退去・精算のページ。 |
| 明渡し | 契約終了後の明渡し、鍵の返却、残置物の扱い、明渡し遅延の損害金。 | 明渡しの期限と、返却すべき鍵の本数を書く。 |
| 損害賠償・遅延損害金 | 債務不履行があった場合の賠償、賃料遅延の損害金の利率。 | 民法415条が賠償請求の根拠になる。利率や違約金は、消費者契約法の観点から過大でないかを見る。 |
民法541条は、当事者の一方が債務を履行しない場合に、相手方が相当の期間を定めて履行の催告をし、その期間内に履行がないときは契約を解除できるとし、期間経過時の債務不履行が契約および取引上の社会通念に照らして軽微であるときは解除できないとしています。賃貸借契約書に「一度でも賃料の支払いが遅れたときは直ちに解除できる」と書かれていても、実際に解除が認められるかどうかは、遅れの程度や経緯などの個別の事情に左右されます。契約書の側では、催告を要する場合と要しない場合を分け、要しない場合を限定して列挙する書き方が、運用の見通しを良くします。滞納の場面の整理は賃貸住宅のトラブルと書面の整理で扱います。
債務不履行による損害賠償は、民法415条1項に基づき、債務者が債務の本旨に従った履行をしないときに請求できます。ただし、その不履行が契約および取引上の社会通念に照らして債務者の責めに帰することができない事由によるものであるときは除かれます。契約書に損害賠償や違約金の条項を置く場合は、何を、どの範囲で、いつまでに請求できるのかを書き、借主が個人の場合は過大な負担になっていないかを見ます。
確認契約書の後半を読むときに確かめる問い
解除ができる場合は、催告が必要な場合と不要な場合に分けて書かれているか。
催告なしで解除できる場合が広く書かれていると、後の争いで有効性が問題になりやすい。
明渡しの期限、鍵の返却、残置物の扱いが書かれているか。
退去の段階で初めて決めようとすると、立会いや精算の場面で争いが増える。
通知の宛先が貸主か管理業者かを、借主が判断できるか。
通知先が曖昧だと、修繕や更新の連絡が届かないままになる。
特約を追加するときの考え方:「必要性」「範囲」「説明」を書面に残す
特約は、標準的な契約書では足りない事情を補うために使います。ペットの飼育を認める代わりに退去時の消毒費用を定める、楽器の使用の時間帯を限る、保証会社の利用を条件にする、といった定めです。特約を作るときは、次の三点を意識します。
確認特約を置く前に自分に問う三つのこと
その特約がなぜ必要か(標準の契約書では足りない理由は何か)。
必要性が書けない特約は、後で借主に対する一方的な負担と見られやすい。
負担や制限の範囲は、項目、金額、時期まで特定されているか。
「相当額」「必要な費用」だけでは、争いになったときに範囲が定まらない。
契約時に、その特約を借主に説明し、了解を得たことを、書面に残せるか。
説明の記録は、特約が合意に基づくものであることを示す材料になる。
国土交通省が公表している賃貸住宅標準契約書には、契約書の作成にあたっての注意点や解説コメントが付いています。標準の考え方を確かめながら、自分の物件に必要な特約だけを、通常の本文とは別に、特約として整理して載せる方が、契約書全体の見通しがよくなります。特約を別紙にまとめる場合は、本文から特約を参照する条を設けておきます。
立場別に見る:契約書の読み方で起きがちなこと
借りる人
起きがちなこと
- 頭書の同居人の欄が空白のまま署名してしまう。
- 別表の禁止事項を読まずに、ペットや楽器の可否を口頭で確認しただけで入居する。
- 特約の欄の費用負担を、重要事項の説明では聞かなかったのに、契約書にあった。
書面での手当て
- 署名の前に、頭書の全欄が埋まっているか確かめる。
- 口頭の了解は書面にしてもらう。
- 特約は、条文と金額を特定して読み、分からない点は説明を求める。
貸す人(オーナー)
起きがちなこと
- 自分で作った契約書に、修繕の条項がない。
- 標準契約書から項目を削って使い、禁止事項が不足する。
- 特約を追加したが、本文との優先関係を書いていない。
書面での手当て
- 修繕、禁止事項、解除、明渡しの条項が揃っているか一覧で確かめる。
- 標準契約書の構成と照らし合わせる。
- 特約は別紙にまとめ、優先関係を書く。
管理会社の担当者
起きがちなこと
- 契約書の様式が物件ごとに違い、説明の内容がそろわない。
- 特約の項目が増え、説明書面との対応が分かりにくい。
- 契約書と重要事項説明書の用語が違う。
書面での手当て
- 様式を統一し、物件ごとの違いは特約の欄に限る。
- 特約の一覧と説明用の書面を対応させる。
- 契約書と説明書で用語をそろえる。
起きがちなこと
契約書の読み方で起きがちなこと
- 頭書の空欄(同居人、極度額、管理業者の連絡先)を埋めないまま署名し、後で食い違いが出る。
- 修繕を「一切借主の負担」と書いた契約書で、設備の劣化まで借主に請求し、争いになる。
- 別表の禁止事項と本文の解除条項が結びついておらず、違反があっても対処の手順が定まらない。
- 立入りの条項が「貸主はいつでも立ち入れる」としか書かれておらず、借主の生活の平穏とぶつかる。
- 特約が本文と食い違い、どちらが優先するか書かれていない。
- 「特約だから有効」「特約だから無効」と決めつけ、条項ごとの判断をしない。
- 標準契約書をそのまま使うか、自作かを決めずに、複数の様式を継ぎはぎする。
よくあるご質問
賃貸住宅標準契約書は、必ず使わなければなりませんか。
法令で使用が義務づけられているものではありません。国土交通省が、紛争の防止や借主の居住の安定、貸主の経営の合理化を目的に公表している参考用のひな形です。使わない場合でも、自分の契約書の構成と比べる基準になります。
契約書の頭書とは何ですか。
物件、契約期間、賃料、敷金、貸主・管理業者、借主・同居人、連帯保証人または保証会社といった、契約の基本的な事実をまとめた欄です。本文のルールがどの事実に当てはまるのかを示す役割があります。
借主に不利な特約は、すべて無効ですか。
一括りにはできません。借地借家法30条は、同法の更新等に関する節の規定に反する借主に不利な特約を無効としますが、修繕や費用負担の特約は、民法の任意規定の範囲で認められることもあります。借主が個人の場合は、消費者契約法10条との関係を条項ごとに見ます。
修繕はすべて貸主の負担ですか。
民法は、賃貸人が使用および収益に必要な修繕をする義務を負うとしています(民法606条1項)。ただし、借主の責めに帰すべき事由による場合は例外で、契約で小修繕を借主の負担とする特約も置かれます。範囲が具体的かどうかが、後の争いを分けます。
契約書に連帯保証人の極度額が書かれていません。どうなりますか。
個人の連帯保証人が負う根保証では、極度額を定めなければ保証契約は効力を生じません(民法465条の2第2項)。頭書や保証の条項に、極度額が数値で明記されているかを確かめます。
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本ページは一般的な情報提供です。個別の賃貸借への当てはめは、契約書の文言、物件の状況、当事者の事情によって異なることがあります。書き方の例として紹介している内容は、一般に見られる書き方を整理した例で、特定の事業者や案件を示すものではありません。条文は e-Gov 法令検索(法令API)で確認した現行のものに基づき、まだ施行されていない改正は現行の内容として扱っていません。参考: e-Gov法令検索 / 国土交通省 / 消費者庁 / 法務省