このページの要点
- 運営の型は自主管理・管理受託・サブリースの三つ。型によって貸主が結ぶ書面と、適用される規制が違う。
- 契約は連鎖している。貸主→管理会社、貸主→サブリース会社→入居者、入居者→保証会社を図にして、書面ごとに甲乙が誰かを確かめる。
- 管理業法の登録義務は200戸以上の管理受託が対象。サブリースの規制は戸数を問わずかかり、親族等への貸付けや宿泊用途の住宅は対象から外れる。
- 書面は入居申込・重要事項説明・契約・入居時確認・更新・退去精算と時系列で並ぶ。住宅は事業用より、借主を守る規定が前面に出る。
結論:賃貸住宅の書面は「三つの型」と「四つの当事者」の組み合わせで読む
賃貸住宅を貸す側には、大きく三つの運営の型があります。貸主(オーナー)が自分で入居者を募集し、家賃を受け取り、修繕を手配する自主管理。募集以外の日常の管理を管理会社に任せる管理受託(管理委託とも呼ばれます)。建物を丸ごと事業者に貸し、その事業者が入居者に貸し直すサブリース(借り上げ)です。どの型を選ぶかで、貸主が結ぶ契約書も、その契約書に適用される法律も変わります。
契約書に出てくる当事者は、貸主、管理会社またはサブリース会社、入居者(借主)、家賃保証会社と連帯保証人、の四つの立場に整理できます。ところが、実際の書面では「甲」「乙」「丙」という記号で書かれ、一枚の契約書の中で同じ記号が別の人を指すこともあります。管理委託契約書の甲は貸主、サブリース契約書の甲は建物の所有者で、入居者との賃貸借契約書の甲は貸主または転貸人です。書面ごとに誰が誰であるかを最初に確かめることが、読み誤りを防ぐ第一歩になります。
このページは、賃貸住宅の書面の全体像を示す入口です。個別の論点は、13のページに分けて解説しています。このページで押さえるのは次の5点です。
- 運営の型は三つあり、型によって貸主が負う責任と、書面に書くべき事項が違う。
- 契約の連鎖(貸主→管理会社、貸主→サブリース会社→入居者、入居者→保証会社)のどこで何が約束されているかを、図にして確かめる。
- 賃貸住宅管理業法は、住宅の賃貸借を対象にした法律で、管理受託の登録義務は規模によって決まり、サブリースの規制は戸数に関係なくかかる。
- 書面は入居前から退去後まで時系列で並ぶ。申込み、重要事項の説明、契約、更新、修繕、退去精算と、各段階で使う書面が違う。
- 事業用の賃貸借と住宅の賃貸借では、適用される規制が違う。住宅に絞って読むと、借主を守る規定が前面に出る。
本サイトは、民法、借地借家法、賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(以下「管理業法」といいます)、消費者契約法などの条文を根拠にした一般的な解説です。個別の物件や契約への当てはめは、契約書の文言、物件の状況、当事者の事情によって変わります。事業用(店舗・事務所・ビル)の賃貸借は、別のガイドで扱うため、ここでは触れません。
自主管理・管理受託・サブリースの三つの型を並べて比べる
三つの型は、貸主から見ると「誰が入居者の相手方になるか」「家賃がどう貸主に届くか」「空室のリスクを誰が負うか」が違います。まず、最も大きな違いを表にします。
三つの運営の型の比較(一般的な整理)
| 項目 | 自主管理 | 管理受託(管理委託) | サブリース(借り上げ) |
|---|---|---|---|
| 入居者と契約する人 | 貸主が、入居者と賃貸借契約を結ぶ | 貸主が、入居者と賃貸借契約を結ぶ(管理会社は貸主の委託を受けて動く) | サブリース会社が、貸主から建物を借り、入居者に転貸する(入居者の契約相手はサブリース会社) |
| 貸主が結ぶ書面 | 入居者との賃貸借契約書 | 管理受託契約書と、入居者との賃貸借契約書 | 特定賃貸借契約書(サブリース会社との賃貸借契約書) |
| 貸主に入るお金 | 入居者から受け取る家賃 | 家賃から、管理報酬や費用を差し引いた額(差引きの方法は契約で決まる) | サブリース会社から受け取る家賃(入居者の入退去にかかわらず約束された額とされることが多い) |
| 空室・滞納のリスク | 貸主が負う | 原則として貸主が負う(管理会社は、督促などの業務を行うにとどまる) | 契約の定めによる。「家賃保証」と説明されても、減額や解約の条件が書面にあるかを確かめる |
| 主に適用される規制 | 民法、借地借家法、消費者契約法など | 上に加えて、管理業法の管理受託の規制(登録した管理会社に対するもの) | 上に加えて、管理業法のサブリースの規制(広告、勧誘、書面の交付) |
| 入居者への影響 | 貸主が窓口 | 連絡先が管理会社に変わることが多い | 貸主が誰か分かりにくくなり、原契約が終わるとき入居者の立場が問題になる |
上の表は一般的な整理で、実際には契約書の文言で異なります。たとえば管理受託でも、募集や家賃の収納を管理会社が行う方式と、貸主に直接振り込ませる方式があります。
表のうち、特に誤解されやすいのが「家賃保証」の意味です。管理受託の場合に「家賃保証」と書かれていれば、家賃保証会社(入居者が家賃を払えないときに立て替える会社)の利用を指すことが多く、貸主に対する保証ではありません。サブリースの場合の「家賃保証」は、サブリース会社が入居者の入退去にかかわらず一定の家賃を貸主に払う約束を指すことが多いのですが、その約束には期間、改定、解除の条件が付いているのが通常です。同じ言葉でも、書面ごとに意味が違います。サブリースの家賃保証の言い方は、サブリース契約書(特定賃貸借契約)の注意点で詳しく扱います。
管理受託の書き方は賃貸管理委託契約書(管理受託契約)の書き方で、入居者と結ぶ賃貸借契約書の読み方は住宅の賃貸借契約書の読み方で扱います。
契約の連鎖を一枚の図にして、どこで何が約束されているかを確かめる
賃貸住宅の揉めごとの多くは、「Aとの契約では書いてあるが、Bとの契約には書いていない」という食い違いから起きます。たとえば、貸主が管理会社に「設備の修繕は五万円までは貸主の確認なしに手配してよい」と任せていても、入居者との賃貸借契約書に別の修繕の区分が書かれていれば、入居者は賃貸借契約書の方を見ます。契約は当事者の間でだけ効力があるので、管理会社への委託の内容は、入居者に対する約束にはなりません。
この食い違いを見つけるには、契約の連鎖を図にします。次の図は、サブリースを使う場合と使わない場合の両方を一つにまとめた、一般的な連鎖のイメージです。
賃貸住宅の契約の連鎖(一般的なイメージ)
管理会社を使う場合は、貸主と入居者が直接の契約当事者で、管理会社は貸主の委託先です。サブリースの場合は、入居者の契約相手がサブリース会社に変わります。
図を見ると、貸主が結ぶ書面は管理受託契約書か特定賃貸借契約書で、入居者との賃貸借契約書は、管理受託のときは貸主名義、サブリースのときはサブリース会社名義になる、という違いが分かります。貸主は、自分が当事者でない書面の内容を、自分の目で確認できないことがあります。サブリースでは、入居者に貸す条件(賃料、敷金、更新)をサブリース会社が決めるため、貸主は、サブリース会社が入居者とどのような条件で契約するのかを、特定賃貸借契約書で確かめておく必要があります。この点は、管理業法が、転借人の資格その他の転貸の条件を書面で示させる理由でもあります(後の節で触れます)。
家賃保証会社や連帯保証人との関係は、入居者が負う債務を支える仕組みです。貸主と保証会社の間に、直接の契約書がないことも多く、入居者が署名する賃貸借契約書の中に「保証会社を利用すること」「保証会社への支払いが遅れたら解除できること」が書かれています。保証の書面は家賃保証・連帯保証人・緊急連絡先の書面で扱います。
管理業法がかかる範囲:住宅であること、登録の規模、サブリースは戸数を問わない
賃貸住宅の管理に関する中心的な法律は、賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(令和2年法律第60号)です。この法律は、2021年(令和3年)6月15日に全面施行されました(施行規則の附則に、法の施行日として記載されています)。賃貸住宅の管理を任された会社と、サブリースを行う会社を対象に、それぞれ別の規制を置いています。適用範囲を、条文から順に確かめます。
まず「賃貸住宅」の意味です。同法2条1項は、賃貸住宅を「賃貸の用に供する住宅(人の居住の用に供する家屋又は家屋の部分)」と定め、人の生活の本拠として使用する目的以外の目的に供されていると認められるものとして国土交通省令で定めるものを除く、としています。この省令(施行規則)1条は、除かれるものとして、旅館業法の許可を受けた施設である住宅、国家戦略特別区域法の認定を受けた事業(いわゆる特区民泊)の用に供されているもの、住宅宿泊事業法の届出に係る住宅のうち住宅宿泊事業の用に供されているもの、の三つを挙げています。つまり、宿泊の用に供する住宅は、この法律でいう賃貸住宅から除かれます。事業用の店舗や事務所は、そもそも「住宅」ではないため対象外です。
次に「賃貸住宅管理業」です。同法2条2項は、賃貸住宅管理業を、賃貸住宅の賃貸人から委託を受けて、次の業務(管理業務)を行う事業と定めています。一つは、賃貸住宅の維持保全(点検、清掃その他の維持を行い、必要な修繕を行うこと)を行う業務で、維持保全に係る契約の締結の媒介、取次ぎ、代理を行う業務を含みます。もう一つは、家賃、敷金、共益費その他の金銭の管理を行う業務で、維持保全と併せて行うものに限ります。金銭の管理だけを請け負う場合は、この定義には当たりません。
登録が必要な規模は、200戸です。同法3条1項は、賃貸住宅管理業を営もうとする者は国土交通大臣の登録を受けなければならないと定め、事業の規模が国土交通省令で定める規模未満であるときは登録を要しないとします。施行規則3条は、その規模を、賃貸住宅管理業に係る賃貸住宅の戸数が200戸であることと定めています。登録は5年ごとの更新が必要です(同法3条2項)。登録なしに賃貸住宅管理業を営んだ場合は、1年以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金、またはその併科とされています(同法41条1号)。
ここで、貸主が見落としやすい点があります。同法13条以下の、管理受託契約の締結前の書面の交付と説明、締結時の書面の交付、分別管理、定期報告などの規制は、「賃貸住宅管理業者」に対するものです。同法2条3項は、賃貸住宅管理業者を、3条1項の登録を受けて賃貸住宅管理業を営む者と定義しています。したがって、200戸未満で登録をしていない管理会社には、これらの規定が直接にはかかりません。ただし、登録していない会社でも、管理受託契約は民法上の委任(準委任)であり、契約書の定めと民法の規定が適用されます。契約書が簡素であれば、民法の規定が補う範囲が広くなります。管理受託契約書で何を書くべきかは、管理受託契約の書き方のページで整理します。
サブリースの規制は、戸数に関係なくかかります。同法2条4項は、特定賃貸借契約を、賃貸住宅の賃貸借契約であって、賃借人が当該賃貸住宅を第三者に転貸する事業を営むことを目的として締結されるものと定義します。同条5項は、特定賃貸借契約に基づき賃借した賃貸住宅を第三者に転貸する事業を営む者を、特定転貸事業者としています。この規制には、登録のような規模の要件がありません。何戸を借り上げる場合であっても、広告の規制(28条)、不当な勧誘の禁止(29条)、契約締結前の書面の交付と説明(30条)、締結時の書面の交付(31条)、書類の閲覧(32条)がかかります。
もっとも、特定賃貸借契約の定義から、賃借人が賃貸人と人的関係、資本関係その他の関係で密接な関係を有する者として国土交通省令で定める者であるものは除かれます。施行規則2条は、賃貸人が個人の場合の親族、賃貸人または親族が役員である法人などを挙げています。親族が経営する会社に建物を一括で貸すような取引は、この規制の対象外になり得るということです。除外に当たるかどうかは、省令の文言と当事者の関係を一つずつ当てはめて判断します。
管理業法の適用範囲の整理(条文の確認結果)
| 場面 | 適用される規制 | 根拠の条文 |
|---|---|---|
| 住宅の管理を任せる(200戸以上を受託する会社) | 登録、業務管理者の選任、管理受託契約の説明と書面、分別管理、定期報告など | 管理業法3条・12条〜16条・20条、施行規則3条 |
| 住宅の管理を任せる(200戸未満の会社) | 登録義務なし。管理業法13条以下の規制は直接はかからないが、民法の委任の規定は適用される | 管理業法2条3項・3条1項、民法643条・656条 |
| 住宅を一括して事業者に貸す(サブリース) | 戸数を問わず、広告、勧誘、書面の交付などの規制がかかる | 管理業法28条〜32条 |
| 一括して親族や同族の会社に貸す | 密接な関係を有する者に当たる場合は、特定賃貸借契約から除かれる | 管理業法2条4項、施行規則2条 |
| 宿泊用途の住宅(旅館業・特区民泊・住宅宿泊事業) | 管理業法でいう賃貸住宅から除かれる | 管理業法2条1項、施行規則1条 |
入居前から退去後まで、書面は時系列で並ぶ
賃貸住宅の書面は、入居の日に契約書を一通交わして終わりではありません。入居前の申込み、契約前の説明、契約、入居時の確認、更新、修繕の相談、退去の通知、精算と、段階ごとに別の書面が使われます。どの段階に、どの書面が、誰から誰に向けて出されるのかを並べておくと、書き漏れが見つかります。
入居前から退去後までの書面の時系列(一般的な流れ)
- 入居前入居申込書・申込金の受領
申込みは、契約の成立ではありません。預けたお金の性格と返還の条件を書面で確かめます。
- 契約前重要事項の説明と書面
仲介を行う不動産会社(宅地建物取引業者)は、契約が成立するまでの間に、宅地建物取引士に、書面を交付して説明させます(宅地建物取引業法35条)。
- 契約時賃貸借契約書・保証委託契約
貸主・管理者・借主・連帯保証人・保証会社の関係と、特約の範囲を確かめます。
- 入居時入居時の状態の確認(設備・傷)
退去時の原状回復の争いで、入居前からの傷かどうかを決める証拠になります。
- 入居中修繕の連絡、規約の通知、更新の通知
修繕の費用負担、更新の通知期間と更新料、保証の続き方を確かめます。
- 退去の通知解約の通知書
解約の予告期間と、日割りの扱い、鍵や立会いの方法を確かめます。
- 退去時立会い・鍵の返却・原状回復の確認
通常損耗と、借主の責めによる損傷を分けて記録します。
- 退去後精算書・敷金の返還
敷金から控除する項目の内訳を示し、返還の時期を守ります。
各段階の詳しい解説は、本サイトのそれぞれのページで扱っています。
重要事項の説明は、物件を紹介した不動産会社が行うものです。貸主が不動産会社を通さずに直接、入居者を募集するときは、貸主自身が宅地建物取引業者でない限り、この説明義務は直接には課されません。しかし、契約書に書かれていない事項を後から主張するのは難しいので、借主に説明した内容は書面や契約書の特約欄に残すのが実務的です。入居前の書面は入居申込から契約までの書面で、退去時の書面は退去・明渡し・立会い・鍵の返却・残置物の書面で扱います。
住宅と事業用では、適用される規制と読み方が違う
建物の賃貸借には、住宅用と事業用の別なく、民法と借地借家法が適用されます。ただし、借主が居住用で借りる場合には、事業用にはない規制や考え方が加わります。住宅と事業用を一緒に論じると、どちらの話か分からなくなるため、整理しておきます。
住宅の賃貸借と事業用の賃貸借の主な違い
| 項目 | 住宅(居住用) | 事業用(店舗・事務所) |
|---|---|---|
| 管理業法 | 賃貸住宅管理業の規制と、特定賃貸借の規制がかかる | 住宅ではないため、かからない |
| 消費者契約法 | 借主が個人(消費者)なら、不当な条項の無効(8条〜10条)が問題になる | 借主が事業者なら、通常は適用されない |
| 借地借家法の更新・解約制限 | 普通借家は、期間満了でも正当な事由がなければ貸主から更新を拒めない(26条・27条・28条) | 事業用の建物も同じ規定の対象だが、更新のない定期借家が使われる場面もある |
| 原状回復 | 通常の使用による損耗は借主が直す義務を負わないとするのが民法の規定(621条) | 契約で、スケルトン(骨組みだけの状態)に戻す特約が結ばれることが多い |
| 敷金 | 民法622条の2の敷金の返還ルールが前提 | 保証金として預け、一部を償却する特約が結ばれることがある |
| 保証 | 個人が保証人になるときは、極度額を定めなければならない(民法465条の2) | 同じ規定がかかるが、実務の金額感が異なる |
事業用の賃貸借の書き方は、別のガイドで扱います。
住宅の特徴は、借主が生活の本拠として住む場所を借りることから、借主を守る規定が強く働くことにあります。借地借家法の更新に関する規定(26条から29条)に反する特約で、建物の賃借人に不利なものは無効とされています(同法30条)。また、消費者契約法10条は、法令中の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比して消費者の権利を制限し、または消費者の義務を加重する条項であって、民法1条2項の基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものを無効としています。契約書に書いたから有効、とはならない箇所が、住宅では事業用より多くなります。
書面を読む前に、自分で確かめる問いと、このサイトの読み順
契約書や管理委託契約書を渡されたとき、条文を一行ずつ読む前に、次の問いに答えてみてください。答えが出ない問いは、書面の読み直しか、相手への確認が必要な箇所を示しています。
確認賃貸住宅の書面を読む前の五つの問い
この書面の「甲」「乙」は、それぞれ誰か。
同じ記号が書面ごとに別の人を指します。管理委託契約書の乙は管理会社、賃貸借契約書の乙は借主です。署名欄まで確かめます。
この契約が終わると、誰に何が戻るのか。
管理委託が終われば管理業務は貸主に戻り、サブリースが終われば入居者の貸主が誰になるかが問題になります。終了時の条項を先に読みます。
お金は、誰の口座を、どの順序で通るのか。
家賃、敷金、管理費、修繕費が、貸主、管理会社、入居者のどの間でやりとりされるかを、書面から追えるようにします。
特約は、本文の何を変えているのか。
特約は、本文の原則を変更します。本文と食い違っていないか、特約が借主に不利な内容になっていないかを確認します。
この住宅は、管理業法の対象になるか。
宿泊用途への転用や、親族への貸付けなどは、対象から外れることがあります。外れると、書面で保護される範囲が変わります。
本サイトの13ページの読み順(目的別)
- 運営の型を決めたい貸主:管理受託契約の書き方とサブリース契約の注意点を比べる
- 物件の売却・相続を控える貸主:貸主が変わるときの賃貸人の地位を読む
- 入居者を募集する貸主・管理会社:入居申込から契約まで、契約書の読み方、更新と定期借家を順に読む
- 修繕・設備に関する疑問:修繕・設備の故障・DIY型賃貸の書面
- 退去を控える入居者・貸主:敷金の返還、原状回復特約、退去の精算
- 保証人・保証会社に関する疑問:家賃保証・連帯保証人・緊急連絡先の書面
- 揉めごとが起きたとき:賃貸住宅のトラブルと書面の整理
起きがちなこと:型の違いを見ずに、同じ感覚で契約してしまう
最後に、全体像の段階で起きがちな誤りを整理します。多くは、三つの型の違いと、契約の連鎖の読み落としから生じます。
起きがちなこと(全体像)
- 管理会社に任せたつもりが、実はサブリース(借り上げ)の契約書に署名していた。管理受託は貸主が入居者の貸主のまま、サブリースは貸主が建物をサブリース会社に貸す、という根本の違いが、営業の説明では「全部お任せ」で一括りにされることがある。
- 「家賃保証」という言葉を、入居者の滞納を保証会社が立て替える意味で受け取ったが、書面はサブリース会社が貸主に払う家賃を保証する意味で書かれていた(または逆)。
- 管理会社が登録業者であるかを確かめずに契約した。登録が必要な規模を超えて受託している会社でも、登録番号が書面に載っていないことがある(登録業者の説明事項に、登録年月日と登録番号が含まれます。施行規則31条1号)。
- 入居者との賃貸借契約書と管理委託契約書で、修繕の費用負担の区分が食い違い、管理会社が入居者に請求した費用を、貸主が負担すべきかどうかで揉めた。
- 宿泊用途に転用する前提で借り上げた住宅に、賃貸住宅としての規制を想定して契約し、転用後の位置づけを確かめていなかった。
- 貸主が物件を売却したときに、管理委託契約や敷金の引継ぎを書面にしておらず、管理会社の送金先と入居者の敷金返還先が分からなくなった。
- 更新や退去の通知が、契約書の定めた方法と違う方法(口頭、LINEなど)で出されて、通知の有無を争うことになった。
よくあるご質問
賃貸住宅の管理を任せるときと、サブリースに出すときの違いは何ですか。
管理を任せる場合、入居者の契約相手は貸主のままで、管理会社は貸主の委託を受けて維持保全などを行います。サブリースの場合は、貸主が建物を事業者に貸し、その事業者が入居者に転貸するため、入居者の契約相手がサブリース会社になります。貸主が結ぶ書面も、管理受託契約書と特定賃貸借契約書で別物です。
賃貸住宅管理業の登録は、どのような管理会社に必要ですか。
管理業法3条と施行規則3条により、賃貸住宅管理業に係る賃貸住宅の戸数が200戸以上の事業者は、国土交通大臣の登録を受けなければなりません。200戸未満の場合は登録義務はありませんが、任意で登録することもできます。登録の有効期間は5年です。
サブリースの規制は、少ない戸数でもかかりますか。
特定賃貸借契約の規制(広告、勧誘、書面の交付など)には、登録のような戸数の要件がありません。何戸の賃貸住宅を借り上げても、特定転貸事業者として管理業法28条から32条までの規定を守る必要があります。ただし、親族や同族の会社など密接な関係にある者への賃貸は、特定賃貸借契約から除かれます。
民泊(宿泊)用途の住宅は、管理業法の対象になりますか。
旅館業法の許可を受けた施設、特区民泊の認定を受けて事業の用に供しているもの、住宅宿泊事業法の届出に係る住宅のうち住宅宿泊事業の用に供されているものは、施行規則1条により、管理業法でいう賃貸住宅から除かれます。宿泊用途には、別の制度(旅館業法、住宅宿泊事業法など)が適用されます。
契約書を渡されたとき、まず何を確認すればよいですか。
契約の当事者(甲乙が誰か)、契約が終わったときに何が誰に戻るか、お金の流れ、特約が本文の何を変更しているか、の四点です。条文を読む前にこの四点を確かめると、書面の食い違いが見つかりやすくなります。
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本ページは一般的な情報提供です。個別の賃貸借への当てはめは、契約書の文言、物件の状況、当事者の事情によって異なることがあります。書き方の例として紹介している内容は、一般に見られる書き方を整理した例で、特定の事業者や案件を示すものではありません。条文は e-Gov 法令検索(法令API)で確認した現行のものに基づき、まだ施行されていない改正は現行の内容として扱っていません。参考: e-Gov法令検索 / 国土交通省 / 消費者庁 / 法務省